第4章 私のお笑い計画書
めくるめく翌日です。
「板(いた)と言うことを覚えて頂きたいな。『舞台』のことをこう言うんだ。用例:『~の上に立ったら、先輩も後輩もない』そして次は”一周回って面白い”を学んでいこう。一見面白くないが、見方を変えれば面白いのではないか、と思えるような場合に用いられる。まあ実際には、面白くないものを逆立ちして見たところで、面白くなるわけではない。また、先輩芸人が後輩芸人のネタを見て、面白いのだが認めたくないときにこのフレーズを使ってごまかしていることもある。そんな先輩に注意をしたくなるものだがここはぐっとこらえて面白い!と認めてもらうまで必死に頑張ることが大切だ。先輩の顔を立てるのもいい勉強になるぞ。ただ、自分の意見がある時ははっきり言っておいた方がいいこともあるのでほどほどにな。いっぱいいっぱいとはお客さんを前にして舞台に立っていることが(あるいはカメラを前にしてスタジオに立っていることが)すでに限界の状態のこと。ボケが思い浮かばないために苦し紛れに怒ってみせるビビる大木さんなどがこれに当てはまるな。一発ギャグはみんな知ってると思うが一応説明しておくと一瞬のアクション、またはフレーズで笑いを取るための手法。短時間で笑いを取らざるを得ない状況に追い込まれたとき、このギャグの引き出しが多い芸人は非常にお得。ただ、これに頼りすぎると一発ギャグしか印象の残らない芸人になってしまうため、注意が必要でもある。イロモネアなんかでは一発ギャグが要求されるので普段のネタをやっていきたい諸君も一発ギャグも考えておくといいぞ。”一発ギャグ”はいざとなった時に使えて便利になることもあるので考えておくように。それと”入り待ち”なんかよく聞くな。これはファンが楽屋に入る芸人を待ち伏せて、一緒に写真を撮ったり、プレゼントを渡したりすることだ。この状態に慣れてしまって天狗になり、芸がおろそかになって結局消えてしまう若手芸人は数知れずいるので覚えておくように。君達にはそうなってもらいたくない。だからこそここで精進して学んで卒業してもらいたい。そして卒業してからプロになってからも初心に帰って臨む事を常に頭の中に入れておけば天狗になる確率も低くなるので初心を忘れるな!対義語:出待ちだ。」
最近は新しいことが学べてうれしいです。次回を期待したい。それではバイトへ行ってきます。