第2章 上京してから
この日の養成所では礼儀作法を学びました。そして引き続き発声練習も行いました。
「言葉づかい・マナー・コミュニケーションはお笑い界では当たり前ですよ。昨日行った筋トレもそうですが君達が芸人となった時にきっと役に立つということをお忘れなく。お笑いの世界に入って芸人としてやっていくということは先輩芸人の方の失礼の無いような振る舞いがとても大事ですし、もし君達が何年か経ってベテランになった時に後輩芸人を持つだろうからお手本になるようにしなければなりません。わかりましたか?」
「はい。」
私達は講師の言葉に耳を傾けました。
「さて、君達に聞きますがお笑い界のマナーとは何でしょうか?これだと思うものを答えて頂きましょう。」
講師の指図で何人かの生徒が当たり答えていきました。そして私も当てられてしまいました。
「じゃあ、そこのおさげの山本さんどうぞ。」
「はい。私が思うお笑い界のマナーとは一発屋を作らない、ですかね?一発屋だとそれだけしか売れないので何か戦略を打たないといけないのかなと思いました。」
生徒達が答えたあと講師が思うお笑い界のマナーを教えてくれました。
1.常に自分以外の第三者の自分視点を置く。
2.冷静にどこを狙うかわからないスタイルを出す。
3.コンビまたはトリオを組むなら相手との呼吸・距離感・客観的さを取りそなえるのが大切。
4.ピン芸人になるならより個性を際立たせるお笑いの追求心が必要。
この4つがあげられました。
1は常に自分以外の第三者を作ることが重要だ。その第三者を自分の視点に置けるかどうかが実力の見せ所だと講師は語ってくれました。(私にはまだいまいちわからないけどわかるようになるのかしら?)
「ここは養成所なので君達の個性を存分に発揮して欲しい。そして自分にしかない最高の武器を見つければこの先も生き残れるであろう。さて午前中の授業はこれまで。午後も頑張りましょう。」
チャイムが鳴り午前中の授業はこれにて終了しました。
そして午後は発声練習を引き続き行います。あと筋トレもやるそうです。参っちゃうなあ。