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女芸人の日常

第2章 上京してから


私も最初君もグループ面接に受かりました。その日のうちに合否が発表されて嬉しくてお互い笑ってしまいました。
「受かって良かったじゃない。」
そこに1人の少女が話しかけてきました。
「グループ面接で一緒だった子の?」
私は不思議そうに聞くと彼女は長い髪をなびかせてニッコリしました。
「私は沖縄県から来たななみです。ちなみにピン芸人志望よ。何かで一緒だった時はよろしくね。」
彼女の態度になんてかっこいいんだと思わず見とれてしまいました。
私達は4月に養成所に入学したのでこれから1年間切磋琢磨しなければいけませんな。(翌年の3月に卒業です)
「みんなお笑いコースに行くわよね?」
ななみさんがそう聞いたので私と最初君は頷きました。
「はっどうしよう。住む所決まってないや。」
そういえばと私は思い出しました。東京に来て養成所に受かったはいいものの住む所を決めてなかったのです。もし受からなかった時のことも考えて決めておかなかったのです。
「仕方ないわね。私のアパートに行けば?大家さんには言っておくし。ただしさっさっと家見つけたら出て行きなさいよね。」
「ななみさん、本当にありがとう。そうさせて頂きます。」
こうして私はななみさんの家に住みながら養成所に通いながら不動産を回る日々が続くのでした。

それから翌日私はななみさんと家を出て本気塾へと向かいました。養成所に行くと最初君や他の生徒達は既に来ていました。
「みなさん、おはようございます。私はお笑い養成所の本気塾講師の吉田です。」
講師ががらりと戸を開けて教室へと入ってきました。
「おはようございます。」
私達は元気よく挨拶しました。
「みんな基本がなっていませんね。まずは基本的な挨拶を学びましょう。今日の レッスンでは発声(発声法・発音・筋トレなど)を学んでいきますよ。」
私達は講師に習って配られた紙を見ながら挨拶を繰り返しました。
「おはようございます。」
「有難うございます。」
「よろしくお願いします。」
4月~6月はこのような基礎授業を行っていきます。(あっすみません。ここからは標準語で)礼儀所作(言葉づかい・マナー・コミュニケーションなど)・演技(体の使い方・感情解放など)のパフォーマーとして必要な基礎的な内容やお笑いの定義、 先輩芸人による特別講義、など、業界で必要な情報も徹底的に教えてくれます。
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