第13章 時間が全てを癒してくれるなら
「っ、俺はお前に…!!」
「何も聞きたくないし話したくない。
帰ってください」
体調が悪いのは悟られてないみたいだ
弱い所を見せてしまう前に
さっさとこの場から逃げたい
早く逃げたい、のに
「っ…」
「霜月!?」
「近づかないで!!」
痛みでしゃがみこむ私に思わず駆け寄ろうと
したのだろうけど、私はそれを許さない
近づくな 話しかけるな 触るな
貴方達に向ける感情なんてそれだけ
あ、でも本当にやばい
これはわりと本格的にやばい痛い無理
「体調悪いんか…!?大丈夫なんか、」
「は、忍足先輩に体調を心配される日が
くるなんて思わなかったなぁ」
まだ嫌味を言う元気はある 大丈夫
私が何かを喋る度に
曇る彼の表情が無性に腹立たしい
なにその顔?
昔いじめてた奴に好き放題言われるのは
むかつくって?
加害者のくせに何なのムカつく
「まぁ見ての通り、コレなんで
貴方に構ってる余裕はないんですよ」
「病院は…」
「もうほっといてもらえませんか。
勝手にしますから」
「病人は、ほっとかれへんやろ」
「はぁ?」
思わず嘲笑してしまう
どういう感情でアンタは動いてんの?
過去の罪悪感?罪責感?
なにそれ美味しいの
「貴方の償いに付き合いたくない」
「そんなん言うてる場合やないやん」
「…〝そんなん〟?」
「!!ちがっ、」
そんなん
所詮、その程度 そんなもの
そうだよね過去のことだもんね
ずっとうだうだ言ってる私が悪いのかな
過去のことは過去のことって
切り替えて生きていくべきなのかな
んなわけねぇだろ