第6章 制服や教科書は全部捨てた
「アンタは必要ないのよ」
あぁそうだろう
そうでしょうとも
アンタにとって私は一生
要らない人間なんだろうね
「誰も必要としてないから」
…誰も?そんなことない
みんな必要だって言ってくれた
大切だよって言ってくれた
「ほら、見て。
慶が要らない子だから
みーんなあんな目をしてるんじゃない」
ちがう、やめて
そんな顔しないで
ねぇ、私をそんな目で見ないで
言ったじゃん
確かに言ってたじゃんか
頑張ってて偉いねって
ちゃんと見てるよって
なんで?私が何をしたの
ただマネージャーやってただけなのに
「嘘…だよね?」
「お前はもう要らない。
りおなだけで十分だ」
なんで、どうして
いつもいつだってあの人は
私が邪魔で仕方ないんだね
だったらもう
いっそのこと
*
「っ…」
あー寝てたわ…って今何時!?
自分では数十分くらいの
気持ちでしたそうであって欲しい!!
そんな思いも虚しく
夕方超えて時刻はただいま19時半
「…お月様が綺麗ダワー」
現実逃避するのは辞めよう 虚しい
あれからなんとなく目つぶってたら
まさかこんな時間まで寝てるとは
変な体制で寝てたからか
見てた夢は悪夢に近いものだった
「何年前のことだよ」
思わず出る独り言が
誰にも届かないで溶けていく
もう終わったこと
全部昔のこと、過去のこと
立ち直ったと思ってたけど
そんなことは無いらしい
それもこれも
昔を思い出すようなことがあったからだ
…なんか、疲れた
美味しいものが食べたい
今から作る気力もないし
コンビニでも行ってこようかな
カップラーメンに
てきとーに具を乗せて豪華にして
サラダも買ってこれば
栄養もうん、大丈夫大丈夫
そうと決めれば腰を上げて
「あれ、」
なんか濡れてる
ほほの辺りが
あぁきっとよだれだね
何歳だよ私 きったね