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愛されたい症候群。

第6章 制服や教科書は全部捨てた




もう最悪だ
今まで生きてきた中で上位に
食い込むレベルくらい最悪だった


あのあと財前は黙りこくって
何も喋ろうとしないし
あんな風に言ってしまった手前
私も声をかけられなくて


家に着くまでずっと無言


「ほんならな」

「あ、うん。ありがとう。
気をつけて」

「おう」


基本的に無愛想な財前だが
いつもと違うのは
およそ鈍感と言われる私でも分かって

自分勝手に人を傷つけたんだと思うと
胸は重く痛かった



『気ぃきかんで悪かった』


帰り道でうったであろう時間に届いた
メッセージもいつも通りの
端的な文章だったが
彼はどんな顔でこれを打ったんだろう


何も悪くないのに


『私こそごめんね。
今日は楽しかったありがとう!』


珍しくすぐついた既読の文字と
届いた返信


『また誘うわ』


ふわふわとした思考回路で
今度はなんて送ろうか、と考えてるうちに

いつの間にか
手からスマホが落ちていた



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