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嫌なヤツ

第1章 友哉


・・・俺、なんで必死なんだ?
こいつには裏表があって、そこが変わってて面白いと思って、けどあいつは何か隠してて、何かあったような気がして、それを知りたくて・・・。
知って・・・どうするんだ?つーか何で知りたいんだ?
面白いから?違う。違うけど・・・。
わかんね。
人の感情より自分の感情の方が全然わかんねぇよ。
「・・・裏切られた」
本城が口を開いた。
「え?」
「友達と思っていた子に裏切られた。だから信じれなくなった」
「・・・」
「チャーハン、冷めちゃうよ」
「あ、ああ」
今のは、嘘じゃねーよな・・・。少し辛そうにしてたし。
本城はそれ以上言わなかったし俺もそれ以上聞かなかった。
とりあえずチャーハンを食べた。
「・・・う」
「あ、口にあわなかった?」
「・・・うめぇ!!!」
「ホント?」
「ああ!すげえ!!プロみてえな味だよ!」
「・・・そう」
こんなに美味しいの食べたことねぇってぐらい美味しかった。すごいなこいつ!何でもできるのか!?
「よかった」
本城はそう言った。そして、

笑った。

「笑ったとこ始めてみた」
「え?別にいつも笑ってるじゃん」
「あれは作り笑いじゃん!そういうのじゃなくてホントの!!」
「・・・うるさい・・・!!」
あ、顔真っ赤。面白い。
少し壁がなくなった気がする。
一緒にいて・・・

楽しい。


私は朝早く学校へいった。
今日は早く起きたからだ。
昨日は結局あのあと倉野君はすぐ帰った。
私、少し言っちゃった。倉野君になら言えるって心の底で思ってしまった。
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