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嫌なヤツ

第1章 友哉


本城の家に来た。部屋の中は和室だった。
「じゃあ、そこ座って待ってて」
本城はキッチンにいって作り始めた。
部屋にはタンスとベッドぐらいしかなかった。
(なんか寂しい部屋だな)
とはいえきちんと整頓されている。俺んとこなんか部屋きたねぇよ。
部屋を見ていたら写真を見つけた。
本城と本城のお母さんらしき人が笑ってうつっていた。それだけならよかった。俺もきっとスルーするだろう。けれど背景が病室だった。
病気だったのか?
その時本城が写真をどこかにしまった。
「はい、まぁ適当だけど」
机にチャーハンをおいた。すごく美味しそうだった。
「親は仕事?」
「うん。お父さんは勤務中。夜中に帰ってくる」
今少し引っ掛かることを言った。
「お父さんは・・・?[は]ってどういうこと?」
「・・・お母さんは、4年生のとき病気で死んだ」
だから、写真隠したのか。
「私が新聞破ったのもお母さんが死んだってこと思い出したから」
「・・・そうなんだ」

・・・え?
・・・今、意味が分からないこと言ったよな?
何でお母さんのこと思い出して新聞破るんだよ。
ぜってぇこいつなんか隠してるだろ。あいつに表裏があるのも何か原因があるのか?
こいつは・・・壁を作ってる・・・。
みんなにも・・・先生にも・・・
俺にも
「お前、なんか隠してるだろ」
・・・
黙った。
「何があったんだ?」
俺に言えよ。
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