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嫌なヤツ

第4章 父親


すごい倉野君ニヤニヤしてる。
「へーでもあんた好きな人できたなんてね~?」
「うん。できたできた」
「お兄ちゃんがまさか――…」

…いいな。楽しそう。
こうやって家族と話すって。
兄弟とかも正直憧れてた。だからすごく
羨ましかった。

「…本城?大丈夫か」
「あ、うん。大丈夫…です」



「今日は、ありがとうございました」
「またきてね」
また…か。
「送る」
「え…でも…」
「いいから」
なんか、優しい…?

「お兄ちゃん、好きな人できたんだ」
「そうね…。でも」
「?」
「…本城さんって確か…」


「今日はありがとう」
「別に」
俺がしたかったことだし。
本城の家の前についた。
「あ…」
本城が家の前を見ていた。男の人が立っていたことに気付いた。
「…佳奈」
男の人は、本城の名前を呼んだ。
「どこにいっていたんだ」
「…ごめんなさい。今日、家の鍵忘れちゃって…。倉野君…あ、クラスの友達のところで夕飯ごちそうになったの」
「…そうだったのか」
…友達…ね。
「それはありがとう。倉野君」
「いや、別に全然。前俺もちょいごちそうになったんで」
「あ、早く家事しなきゃ」
…本城?
お前…。

お父さんにも作ってるのか?キャラを。




昨日は…迷惑かけちゃったから。何かお礼しなきゃ。前ごちそうになったからその詫びてきな感じだったけど…。でもさすがにお礼はしなきゃいけないよね。
「本城」
ふぇ!?
「倉野君?なんで…」
登校中に会うなんてめったにないけど。
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