第1章 友哉
話しかけられた。声で何となく分かった。
私は公園の入口を見た。倉野君が立っていた。
「何で・・・ここにいるの?」
私は動揺が隠せなかった。
「それはこっちのセリフだっつーの。なんでここにいんの。あ、俺はここ通り道だし」
「いや、そういうことじゃなくて何でこんな時間にいるのってことなんだけど」
「いやお前、人のこといえんの?」
そ、そうだった・・・
「俺はサボった」
あ、一緒だ。
「つーかお前もだろ。こんなとこで何やってたんだよ」
「別に・・・」
昨日といい今日といい、なんなんだこの倉野運は。
倉野君が、隣に座った。
しばらく無言だった。
というかしゃべることないし!嫌いだし!
でも・・・1つ聞きたかったことがあった。
「ねぇ、5年の時花瓶割ってたことあったけど、なんであんなことしたの?」
答えてくれないかな。たぶん。
倉野君が口を開いた。
「つまんなかったんだよな。学校が。というか日常が」
「え?」
「まわりのヤツらは面白いヤツとかいて、楽しいとか思う時もある。でもつまんなかった。何かが足りなくてさ、もうちょっと刺激があるのとかそういうことないかなーとか思ってた。なんだろう、ストレスってゆーの?そういうのがたまって割ったのかもー。自分ではよくわかんね」
意外だった。いつも楽しそうに話してたのにホントはつまらないって思ってたんだ。
「で、お前は?」
「・・・へ?」
「何でお前は新聞破ったの?俺だけに言わせてお前言わないとかありえないからな!」
「・・・言いたくない」
「言わないとバラす」
脅された・・・。
「・・・他人と何かとやるっていうのが嫌だったから破ったの。それだけ」
「・・・ふーん」
なんか納得してなさそうな顔だったけどま、いっかといって話を変えてきた。
「お前さ、表と裏全然違いすぎ」
だっだら何・・・
「でもさ、お前面白いな」
「は?」
意味が分からない。
「今まであったヤツより全然面白いっていうか・・・」
「何それ」
全然話したことないじゃん。
「・・・学校、いくか」
「今から!?」
話変えられたし!!しかも今1時だし!
「ここにいたって結局意味ないじゃん」
「だからって・・・」
そもそもいきたくないからサボったんだも・・・
あれ?
行きたくないなんて思ってない。朝はあんなに・・・。
あれれ?
「いこうぜ」
私は結局のせられて学校にいった。
