第1章 友哉
私はこのことを言わないでと倉野君に言った。
しかし、倉野君はいたずら好きだ。いつバラされるか分からない。関わらないようにしようと決めた。
しかし次の日、放課後彼が花瓶を割ったのを見てしまった。
割れたのではなく割っていた。
自分から、割っていた。
偶然、まわりには誰もいなかった。
お互い知ってしまった秘密。
けれど、倉野君は何も言わなかった。私みたいにだれにもいうな、とか そういうことは一切言わなかった。
なのに私は先生には言わなかった。言ったらあの事バラされるかもなんて思わなかった。じゃあ何で言わなかったんだろう。
よく、分かんない。
次の日、私は学校にいこうとしていた。お父さんは先に出たみたいだ。私は朝ごはんを食べ家を出た。
しかし、途中で急にいきたくなくなった。気分的なのか、よく分からない。
「家、戻ろ・・・」
来た道を戻ろうとした。が、ここは人通りが多い。うちの学校の子もよく通る。なので、人通りの少ない細い道を通って帰ろうと考えた。
(結構遠回りだけどしょうがないか)
この道はあまり通らないけれどまぁ大丈夫でしょ。
細い道を抜けたところに公園があった。
私はとりあえず入ってみた。
公園にはブランコぐらいしかなく、狭かった。
ベンチがあったので座った。
ここに何時間いたんだろう。
気がついたらもう11時だった。ぼーっとしていたらいつの間にか時間が過ぎていた。さすがにもう人通りは少ないだろうと思い、帰ろうとした。
「おい」