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嫌なヤツ

第1章 友哉


「佳奈ちゃん、おはよう!」
一人の女の子が「佳奈」という子に話しかけた。
「おはよう」
佳奈は笑って返した。
その笑いには感情が無いように思えた。
「ねぇ、5年の時のあの事件さ」
近くで何かを話している子がいた。
「あー新聞?」
「そう、結局あれ誰だったんだろうね」
佳奈の目の色が少し暗くなった。
「じゃあ、先いくね」
そう言って早足で教室に向かった。


私は他人が嫌いだ。話すのとかも好きではない。
でも、だからといって変な態度をとって恨まれるとか、そーゆーのはとても面倒なので適当に返事をしてればどうも思わないよね。

・・・人は、いつ裏切るか分かんないんだから・・・

放課後、私は1人で教室にいた。
誰もいない教室は静かでとてもいい。
ホント、キャラを作るって疲れる。
ずっとこのままが・・・

ガラッ!

教室のドアが開いた。
最悪だ。一番会いたくないヤツが入ってきた。
「あれー本城じゃん。お前だけ?」
同じクラスの倉野友哉だ。
「うん。じゃあ私、帰るねー・・・」
「・・・わざとらしいんだけど」
ギクッ
私は倉野君の方を見て微笑んで言った。
「そんなことないよ。倉野君こそどうし・・・」
「やめろ、その作り笑い」
・・・
「わかってんだよ。つーか俺に作り笑いしなくてもよくね?」
・・・ホント、嫌なヤツ。

小5の時、校外学習の新聞を総合の時間に書くことになった。
総合3時間目の放課後、私は、

新聞を破った。

今思い返せばみんなと活動するのが嫌で無意識に行動したんだと思う。
その時、倉野君が教室に入ってきた。まぁつまり
「見られた」ということになる。

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