第3章 佳奈
ヤダ
<佳奈ちゃんなんかー・・・>
思い出したくない
<佳奈、ーをー>
やめてー・・・!!
「本城さん?」
「!」
「大丈夫?」
「あ、うん。いいよ、友達としてこれからもよろしくね」
「うん、よろしく」
どうしよう、今、色々、出てきて・・・。
落ち着こう。忘れようって決めたし。
ホントは友達とかいらないんだけど、星谷君だし。
・・・じゃあ倉野君は?
一緒にいたいって思ったのはなぜ?
友達だから?ていうかもともと友達じゃないよね。
だって私、前まで嫌なヤツって思ってたのに。
「おい、邪魔」
自分の感情ってホントに分かんない。
「そこで話されると通れないじゃん」
「だって、このクラスに用があったんだから、いてもいいよね、倉野」
「・・・どうせ、本城が目的じゃねーの」
「違うよ。星谷君、プリント届けに来てくれたから」
「ね、本城さんがいってるんだから」
「何のプリント?」
あ、そうだ、結局何のプリントか見てない。
「次の総合の時間にさ」
「新聞作るから、それについてのプリント」
新聞・・・?
どうしよう、また・・・
また・・・
「本城、今日一緒に帰ろうぜ」
・・・え?
「ぜってーだぞ」
私は何がなんだかよくわかんなかった。
でも、今私のなかでは不安が募るだけだった。
チャイムがなったので、席に戻った。