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嫌なヤツ

第3章 佳奈


「でも、正直言って好きって感情わかんねーからさ」
「え?」
「俺好きなやつ今までいないもん。友達としてでも、家族としてでも、恋愛としてでも」
「家族も・・・?」
「そ。家族も。嫌いってワケでもないけど、好きでもない。ふつーって感じ?」
そうなんだ。つまらないっておもっているのは分かってたけど、家族も好きって思っていなかったなんて。
家族・・・。
「いいな・・・」
「は?」
あ、口に出ちゃった!
「家族と一緒にいれて」
「・・・父親いるじゃん」
「私は・・・」
いいかけたとき「ドリルの時間終了!」と先生が言った。
私は、何を言おうとしたんだろう。自分の感情がもれてた。少し先生に感謝した。


休み時間、私はそそくさと逃げ、教室のドアからでようとした。その時、
「本城さん」
話しかけられた。星谷君だった。
「あ・・・星谷君。・・・えっと」
「あの、これさ、プリント。2組に渡しておいてって先生に言われたから」
「あ、うん」
プリントを渡された。何についてか見ようとしたら、
「あの、俺正直言ってやっぱフラれても本城さんのこと好きだから」
「・・・うん、ごめんねなんか」
「ううん」
「あと、ありがと」
「え・・・?」
星谷君に、言いたかった。
「星谷君のおかげで自分の気持ち少し気づくことできたから」
「うん」
「これ、本音だから」
「うん。・・・だから友達になってくれないかな」

友・・・逹・・・
ズキン
痛い
どこが?
ズキン
心が?
ズキン
なんで?
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