第3章 佳奈
新聞作りか・・・。めんどい。
いやそれより、だいじょぶか?アイツ。
また、あんなことするかもしれねーし。
前の・・・新聞破ってたとこを見た俺だったら、たぶんなんも思ってなかった。むしろおもしろそーとか言ってワクワクしてたかも。
でも、今は違うんだよなー。
帰り、アイツと一緒に帰った。
まぁアイツ逃げようとしてたけど。
「何で、一緒に帰ろうなんていったのデスカ」
「だって、お前隠してることあるじゃん」
「・・・ない」
ないわけないっつーの。バレバレだっつーの。
「友達に裏切られたーとか言ってなかったっけ?」
「・・・」
黙った。
「・・・言ったけど、なに?」
「何でそーなったの?」
「・・・言わない」
「言え」
「・・・」
「言わなかったらー・・・」
「・・・言うよ」
小4の時お母さんが、病気になった。
お母さんは花屋さんで働いていた。
けれどお母さんはいつも笑っていた。
私は、普通に過ごしていた。
瑠璃ちゃんという友達がいた。
すごく仲良くて、私は瑠璃ちゃんが大好きだった。
ある日帰ろうとした時、忘れ物をしたことに気づいて、教室に戻った。教室から声が聞こえた。瑠璃ちゃんと他のクラスの子の声だった。
「瑠璃ちゃん、佳奈ちゃんと友達だなんてすごいねー」
え?
「佳奈ちゃん地味だし、よく付き合ってられるよね」
・・・! そんな風に思われてたんだ。
私はそう言われてすごくつらかった。けれど
瑠璃ちゃんがそんなことないっていってくれるのを信じてた。
けど
違った。
「だって佳奈ちゃん頭いいんだもん。それに佳奈ちゃんといれば地味な子にもちゃんと優しく接してるって思われるかなーって」
私は、絶望した。
裏切られた・・・違うよね最初から友達とも思われてなかったんだ。
私はそれから