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嫌なヤツ

第3章 佳奈


…朝、目を覚ました。
昨日、倉野君がおかしなことを言いました。

冗談…だよね


「マジでお前のこと好きになるじゃん」




お父さんはもう仕事に行ったみたいだ。
「今日の1時間目って確か…」
私は時間割を見た。やっぱり。

今日の1時間目から算数だ。



算数の時間になった。10分間ドリルをやってその後授業もその席で受ける。ということは授業一時間分隣の席だ。
嫌だ…。なんでこんな時に限って1時間目なんだ…。

「本城、ここ教えて」
「わっ!」

急に話しかけられて変な声がでてしまった。
「…なに」
「あ、ううん。なんでもないよ」
というか言った本人は普通だ…。あれだ!
後でホントは冗談でした~引っかかった~?的な!
そう!そうだ!
…ていうかこんなこと考えるの私らしくない!
落ち着こう。

「で、どこ?」
「ここ」
「ここは〇〇で△△でー」
「おー!サンキュー」

これ、結構簡単な問題だと思うんだけど…。





「昨日の、本気だから」



…え?
倉野君が小声で言った。教えてほしいと言ったのは、これを言うためだった?

「…ひとつ聞きたいんだけど」

「…」

「マジで好きになるって…どういう意味?マジでって?」
「あー…」

周りに聞こえないように小声で聞いた。

「最初はただお前は面白いやつだけだと思ってたけど、なんか違う感情な気もした。で、星谷と話してお前のこと「好き」なんじゃないかって」

そんな風に思ってたの?私は、倉野君は嫌なヤツだってずっと思って…ううん、でも途中から一緒にいたいって思い始めて…

「…まぁあんときむっとしたのかホントの感情で言ったのかわかんなくてあんなこといっちゃったけど」

「え?なんか言った?」

「なんでも」

…?

「で、教室で本城笑った時、俺マジで本城が好きなんだなって」

…!

そういうことさらっと言われると…!ていうか倉野君ってこういうの普通に言うヤツだっけ…?
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