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嫌なヤツ

第2章 星谷君


だから嫌なんだよ!倉野君と関わるの!
「本城ーちょっといいかー」
三村先生が私を呼んだ。
「これ、職員室の先生の机に置いておいてくれないか?」
そう言って先生は沢山のノートを出した。
「あ、はい」
どうせ暇だからいいか。


って思ったけど実際結構重い・・・。
いつ落ちるか・・・。

ドンっ!!!

誰かに当たったのがわかった。
「わっ!ごめんなさい・・・」
私は顔を上げた。
「大丈夫だよ・・・って本城さん!」
星谷君だった。
「重そうだね。半分持つよ」
「ううん大丈夫。迷惑かけちゃうし」
「別にかけていいよ。その・・・本城さんだし」
星谷君は優しいって聞いてたけどホントだ。・・・ていうか、え?私だから?何で?
・・・あ、前告白されたんだった。ていうか返事待ってるって言われてもう一週間経ってるんだけど。そろそろ返事しないと。
「あ・・・じゃあお願い」
「うん」


私と星谷君は職員室に入った。
「三村先生の机だよね。えっと・・・あ、ここか」
「ありがとう」
私はノートを机に置いた。
「何が?」
「ノート持ってくるの手伝ってくれたこと。ホントに助かったよ」
「うん、いつも一生懸命に頑張ってたから」
「・・・え?」
「いつも先生に何か頼まれても嫌そうにしないで引き受けてたよね」
え?まあ誰かと喋るよりはまだマシだし。
「それに・・・。いつも無理してた気がするし」

・・・え?

「無理してキャラ作ってたよね」

ばれてる・・・?

「でもきっと何かあったんだよね」
「・・・」
なにも言えない。
「だからだんだん気になってきていつの間にか好きになってた・・・でも」
星谷君が言葉を濁らせた。
「・・・最近、倉野と仲良さそうにしてたから。少し焦って」
「え?倉野君と?全然!」
ばれてるのになぜか作り笑いしてしまう。

「でもさ、倉野といるとき本城さんの素が出てるよね」
「・・・何で知ってるの?」
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