第2章 星谷君
「見たから。前廊下で話してるとこ。倉野が本城さんの手首掴んでたこと」
見られてた・・・・・・。
誰もいなかったから油断してた。
見てたのが星谷くんでよかった。
「だから、気持ちだけ伝えようと思って」
「私そんな・・・。別に倉野君とはなにもないよ!」
「そっか。よかった」
そう、何もないんだ。新聞破られたとこ見られたから。あっちが花瓶割るとこみちゃったから。ただお互いの秘密を知ってるだけで。
何も・・・。
「とりあえず職員室から出よう」
星谷君が職員室の入口を指差した。
「うん」
私ははや歩きで入口にいった。
「しつれ・・」
ガラッ!
私が言い終わる前にドアが開いた。
「「あ」」
倉野君だった。しかもハモってしまった。
「・・・いいいしましたぁああ!」
もう走って逃げるしかないよ!
私は星谷君を置いて(と言うか忘れて)先に行った。
「なんだアイツ・・・」
急に走って逃げるとか・・・。
「失礼しました」
目の前にいた男子はドアを閉めて出ていった。
つーかせっかく入ろうとしたのに閉められた。
「倉野」
「あ?」
こいつたしか・・・星谷だっけ。
「本城さんのことどう思ってるの?」
「は?」
いきなり何を言い出すんだコイツは。
「どうも思ってないなら近づかないでほしいな」
カチン
ん?なにか今頭の中で音が。
「何でそんなこと言うのかな星谷クン?」
「俺が本城さんのこと好きだから」