• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第39章 欲しいもの




「ハートの海賊団、ジャンバール! 覚悟!」

もう何度目とも知れない雄叫びが上がり、マングローブの樹の上から奇襲される。

「きゃあ!」

モモは飛びかかられて初めて相手の存在に気がついたけど、ジャンバールはもっと前から気づいていたようで、まったく焦りもせず、ドカンと一発お見舞いして返り討ちにする。

「うげぇ!」

簡単に吹き飛ばされた相手は、カエルのような呻き声を上げて崩れ落ちる。


「ジャンバール、強いのね。」

さっきから襲われるたび、まるで虫でも追い払うかのように打ちのめす彼に、感嘆のため息がでた。

いちいち驚く自分が恥ずかしい。

「あんなザコ、相手にならん。」

当然のように言うから、すごく頼もしい。

「でも、ジャンバールって、けっこう有名人なのね。」

さっきから襲ってくる人たちは、全員ジャンバール狙いだ。

いつも自分ばかりが狙われていたモモにとっては、なんとも肩透かしを食らった気分になる。


「アイツらは賞金稼ぎの連中だ。一応俺も賞金首だからな、狙われて当然だろう。」

なるほど、賞金稼ぎの人たちだったのか。

モモはホワイトリストの手配者ゆえ、一般の手配書が世間に出回ることはなく、そういった人たちに狙われることはない。

(そういう意味では、わたしもみんなも同じ立ち位置なのかな…。)

自分だけが特別のような気がしてたけど、本当はそんなことないのかもしれない。

ジャンバールひとりでコレなのだから、ローたちはもっとすごい歓迎を受けていそう。

でも、彼らの強さは知っているから、そんなに心配はしてないけど。


「もうすぐ30番グローブだ。あそこからはこういった無法者は減るが、その分海軍の連中が多い。あまり俺から離れるなよ。」

「…うん。」

それはモモにとって、危険が増すことを意味しており、改めて気を引きしめた。



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp