第6章 戦いの中で
しかし、向こうだってグランドラインを旅する海賊。
しかもこちらは4人に対して向こうは100人近い大海賊団だ。
(みん…な…。)
過去のトラウマから動けないでいた。
わたしのせい。
お父さんが殺されたのも、
お母さんを助けられなかったのも、
みんなを危険にしてるのも、
全部、わたしの--。
「モモ!」
戦いの最中、発せられた呼び声に身体をビクリと跳ねさせる。
「心配すんな。言ったよな、絶対守ってやるって。お前を誰にも渡したりしねェよ!」
(ロー…!)
わたしも、あなたを守りたい。
なにができる?
あなたのために、わたしになにが…--。
キラリ、と太陽が反射して敵船から眩しい光が見えた。
(なに…?)
光の元は大きな銃を構えたアイフリード。
標準の先にはローの姿。
(あの人、ローを狙って…ッ)
しかし、肝心のローは数十人相手に戦っており、その存在に気づけない。
(気づいて、ロー! 危ない!)
言葉にならないモモの声は、ローに届くことはない。
(ロー!)
わたしも、あなたを守りたい。
「ロー! 危ない、…後ろ!」
聞き覚えのない女の声に反応し、後ろを振り向くとこちらに銃口を向けたアイフリードの姿。
ダァン!
“シャンブルズ”
銃声と同時にローは自分と敵戦闘員の配置を入れ替えた。
「ぎゃあ!」
銃弾は心臓を貫き、ボスであるアイフリードの手によって命を落とした。
「トラファルガー、貴様…ッ」
しかしローの注意はアイフリードになど向いていない。
(今、誰が…。)
自分を呼ぶ声が、確かに耳に届いたのだ。
まさか、と思いモモに目を向けると、驚きの表情で喉元を抑える彼女がいた。
「モモ、お前…。」
「よくもやりやがったな、この野郎!」
海賊がローに襲いかかる。
(今はお前らの--)
邪魔をするな、という気持ちがローの力になる。
「相手をしてられねェんだよ…!」
ブワッと怒気と共に息もできないほどの重圧感が敵を襲う。
「ぐ…がぁ…。」
「……うぅ。」
呻き声を上げてバタバタと倒れる海賊たち。
「こいつ、覇気使いか…!」