第38章 シャボン玉の島
「んんんッ、んう~…!」
ようやく目的地にたどり着けたローの舌は、今までの“おあずけ”の鬱憤を晴らすように、モモの口内で暴れまくる。
小さな舌で必死の応戦をするけど、逆に絡み取られ、痺れるほど強く吸われた。
「んふ…、うぅ…ッ」
ローの思うがまま口内を弄くりまわされて、息も絶え絶えになってしまう。
いつもならここでぐったりと力が抜けてしまうところだが、今はそうすることが出来ない事情がある。
ゴソリ…。
そう、この手!!
いったいドコを触ってるのだ。
シャツの中に侵入した手は、モモの膨らみに躊躇いなく触れて、柔らかさを確かめるように揉みしだく。
「むぅ…、んむ…ッ」
おかげでこっちは甘い痺れに酔ってる場合ですらなくなる。
ひたすら非難の呻き声を上げながら、ローの腕を追い出そうと両手を胸に当て、夢中で引き剥がそうとする。
けれど密着した互いの身体が邪魔をして、ますます胸に押しつけてしまうような形になってしまった。
やりたいことと正反対な状況になってしまい、あたふたと慌てるモモを、ローが鼻息で笑った。
笑うくらいなら、その手を離してよ…!
あと、ついでに唇も!
モモの言いたいことくらい、絶対わかっているはずなのに、知らん顔をして唇と手の感触を楽しむローに、次第に苛立ちが募った。
ここをどこだと思ってるの?
キッチンよ!
みんなの共用スペース。
いつ誰が訪れるかわからないのに、こんなことをするなんて明らかに常識に欠ける。
もちろん、ここが自室だったからって良いってわけじゃないけど。
精一杯の抵抗だが、ローにとっては抵抗のうちにも入らないらしい。
調子に乗った彼の手は、さらに大胆さを増して下着の中に潜り込み、直肌の膨らみに触れた。
「ふ…んぅ…ッ」
調子に…、乗らないで!!
ゴン…ッ!
怒ったモモは、超至近距離から渾身の頭突きをお見舞いしてやった。