• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第18章 生まれる絆と繋がる命




「あーあ、見せつけやがって。」

海へと旅立つハートの海賊団を見送りつつ、エースはげんなりとため息を吐いた。

「どうした、隊長。失恋か?」

失恋…。

いいや、少し違う。
別に自分はなにも失ってはいないのだから。

むしろ--。


「始まりだろ?」

そう言ってエースは軽く唇に触れた。

あの時、そんな状況じゃなかったし、モモが困ると思ったから言わなかったけど…。

本当はちゃんと覚えてる。
彼女の唇の暖かさを。


いつか、必ず迎えに行くからな。

そう思って、どんどん小さくなる海賊船を見つめた。









ねえ、エース。

もし、あの時。
わたしに勇気が、力があったなら、
あなたの下に駆けつけられたかな?

もし、あの時。
わたしの選択が違っていたならば、
わたしが今も海賊だったなら、
あなたを助けに行けたのかな?


満月の夜になると、あなたのことを思い出すの。

あなたがすごいと言ってくれた、鎮魂歌。

今もずっと、あなたのために唄ってる。



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp