第18章 生まれる絆と繋がる命
「こ、これ…。もしかして、エースが言っていた島の人の…?」
いったい何人分になるのか。
年月が経ちすぎてボロボロだが、中には子供と思わしき小さな頭蓋骨も混じっている。
「てめェ、とんだ怪物野郎じゃねぇか…!」
エースの瞳が怒りに燃える。
「なにを怒る? ソヤツらが望んだのじゃ、永久に生きたいと。だからワシの中に取り込んでやったのじゃ。」
「それって、みんな殺してしまったってことじゃない。」
ひどい、ひどすぎる。
こんなにたくさんの、さらには小さな子供まで…。
「仕方なかろう、我ら植物と人間が共に生きることなど出来ぬのだから。」
ならばせめて、体の中で生きるといい。
「そんなこと、ない…!」
閉鎖的な部屋にモモの声が凛と響いた。
「植物と人間が共に生きれないですって? そんなこと、絶対ないわ!」
だって、モモの人生に、植物は欠かせないものだから。
薬として、というのも否定はできないけど、モモの傍にいてくれる植物たちは、優しく、愛情深い子たちばかりだから。
こちらが愛情を注いで育てれば、必ずそれに応えてくれる。
それはヒスイだったり、船の上の薬草だったり。
彼らは、モモにとって家族も当然なのだ。
「きれい事を抜かすな、小娘。貴様らにとって我らは、ただの道具じゃろう。」
「違うわ!」
「違わぬ…。」
ユグドラシルはこの目で見てきたのだ。
卑しい人間達の本性を。
「どれ、少し昔話をしてやろう。」
それは、この島にまだ、たくさんの人間が住んでいたときの話--。