第15章 オバケの森
ザッ、ザッ、ザッ…。
シュコー。
すぐそこまで足音は迫っている。
「……ひッ」
モモの脳裏に、ゾンビ、フランケンシュタイン、狼男、様々なモンスターが浮かび上がる。
「……?」
音が止んだ。
いなくなったのだろうか。
ヒスイを抱き上げ、恐る恐る、音のする方へ近づく。
「…ほ、ほら。ヒスイ、誰もいな--」
ガサガサッ
草木を掻き分けて、人影が現れた。
シュコー、シュコー。
上半身は裸で、顔面になにか装置のようなものを付けている。
フ、フランケンシュタイン…!
シュコー。
グイッ。
「…ぷはッ。あー、驚いた。ここは無人島って聞いていたんだがな。」
男は顔面に装着していたもの…ガスマスクを外した。
「失礼、お嬢さん。俺はちょっと、人を捜してるんだが…。」
彼が話しかけた少女は、無反応だ。
「ちょっと、もしもし?」
無反応どころか、金緑色の瞳は瞬きひとつしない。
「あれ、もしかして--」
彼女は立って目を開けたまま、気を失っていた。