第15章 オバケの森
モモの上に乗り上げたローは、すぐさま上着を脱ぎ捨てた。
逞しい肉体と、派手なタトゥーが露わになる。
「ちょ、ちょっと待って…。」
「待たねェ。…いや、そうだな。今日は自分で脱げよ。」
「えッ。」
お仕置きなんだから、モモには少し懲りてもらわないと。
「俺が脱がしてやってもいいが、そしたら待ち切れずに、すぐ突っ込んじまうかもな。」
自分的にはそれでもいいが。
「ほら、選ばしてやるよ。どっちにする?」
「な…。そんなのって。」
相変わらず、ローの2択はいつも2択になっていない。
(でも、自分から脱ぐなんて…。)
そんな恥ずかしいこと、考えられない。
答えの出せないモモに焦れたのか、ローの手がスカートをたくし上げ始める。
「遅い。もう突っ込むが、いいな。」
「ま、待って…! 自分で、自分で脱ぐから。」
それがローの作戦だとも知らずに、やすやすと口走ってしまう。
ローの口元が笑みを作った。
「ほう…。そこまで言うなら待ってやるよ。」
(あ、あれ? なんか墓穴掘った…?)
今さら気がついても、時はすでに遅し。
もう引き返すことはできない。
「ほら、どうした? やっぱり俺が脱がせてやろうか。」
「…自分で、脱ぐ…。」
震える手でブラウスのボタンを外した。
緊張しているせいか、ひとつ外すのにもまごついてしまう。
全てのボタンを外し、ブラウスを脱ぐと、上半身は下着だけになる。
ここまでにしてもらえないかと上目遣いにローを見るけど、当然許してなんかもらえない。
「どうした、続けろよ。」
「うぅ…。」
前を隠しながら、ホックを外す。
着替えのときならなんでもない作業が、今は死ぬほど恥ずかしい。
下着をとってしまえば、上半身を隠すものはなにもなくなる。
「いい子だ…。次は下だな。」
ここまでで許してもらえないのはわかっていたけど、いざ言葉に出されると挫けそうだ。
時間をかけると恥ずかしさが増すだけ。
思い切って、スカートを下着ごと脱いだ。
全ての衣服を脱ぎ去って、モモは卵のように手足で身体を隠しながら縮こまる。