第43章 覚悟

くすぶる激情をどうにかしようと、モモは荒い息を吐き、ローの硬い胸に額を押し付けた。

しかし、頑張って落ち着こうとしても、ローが内腿を撫で上げるたび、刺激がさざ波のように押し寄せてきて止まらない。

｢は…ぁ…ッ、もう…やめ…ッ｣

｢止めてほしいのか？｣

思わず制止の吐息を漏らすモモに、ローはくすりと意地悪く笑う。

嘘。
止めてほしくない。

でも、こんな時どうしたらいいのか、正しい答えが出せないでいた。

ううん、本当はわかってる。

でも、心の内を吐き出すには、羞恥心と自尊心が邪魔をするのだ。


｢…素直じゃねェな。身体はこんなに素直なのに。｣

｢……？｣

なにを言っているのかわからず、訝しんで顔を上げた瞬間、ローの手がモモのショーツに潜り込むのを見た。

｢あ……ッ｣

モモは息をのみ、とっさに両脚をきつく閉じた。

だが、それは秘部を探る手をさらに押し付けただけだった。

｢いや…ッ、そこ…触っちゃ…！｣

手を引き抜こうと暴れると、まるでお仕置きのように長い指が秘部の膨らみを押し潰す。

｢ひ…ぁ…ッ｣

途端にお腹の奥がキュッと甘く締まり、腰が小さく跳ねた。

ローはその反応を楽しむように、くにくにと柔らかなそれを弄ぶ。

｢ふ…う…ぅッ｣

指を動かされると口からはしたない嬌声が漏れてしまいそうで、必死に両手で塞いだ。

でもそれも、耳朶に歯を立てられた瞬間、無駄な努力と終わった。


｢んぁ…ッ｣

痛みが甘い刺激となり、首筋から秘部に向かって突き抜けた。

まるで獰猛な獣に食べられているようだ。
抵抗のできない草食獣になった気持ちになりながら、モモはローのなすがままになった。

耳朶だけでは飽きたらず、ローの舌はぴちゃぴちゃと音を立て、耳殻を丁寧になぶる。

ただ耳を舐められているだけなのに、腰の辺りがじわじわと熱く疼いた。

額に玉の汗が浮かび、堪らなくなってくねる下半身がローの脚と絡み合う。

ローは熱い息を吐きながら、モモの蜜口にゆっくりと指を埋めた。

｢あ…、あぁ…ッ！｣

ぷちゅり、と卑猥な音が静かな部屋に響いた。