第43章 覚悟
ローに触れられて嬉しい。
でも、なにかおかしい気がする。
酒のせいで回らなくなった頭でどうにか考えようとするけど、思考がまとまりそうになるたび、ローが腹を舐めたり、胸を弄ったりするものだから、なかなかうまくいかない。
「ん…、や…ッ」
愛撫を続けるローを押しのけようとすると、逆にその手を掴まれた。
「…なにを考えている。」
低い声で問われ、そろりとローへ視線を向けると不機嫌そうな彼の顔。
「余計なことは考えんじゃねェ。今は、俺のことだけ見てろ。」
言われなくたって、ローのことしか考えていない。
なんにもわかっていない彼に腹が立ち、ムッと睨み返す。
「そうだ。それでいい。」
モモは怒っているのに、ローはなぜか笑みを作る。
宥めるためか、それともローの邪魔をするモモを拘束するためか、背中に長い腕が回され、強い力で抱きしめられる。
密着した身体はとても逞しく、モモは怒りも忘れてときめいてしまう。
「ん、なに…?」
「いいから、おとなしくしてろ。」
もぞりと身じろぎするモモの耳元で囁くように言うと、ローはスカートに手を伸ばし、遠慮も躊躇もなく捲り上げた。
「あ……ッ」
部屋には明かりが灯っているのに、モモの白い太腿と繊細なレースで飾られたショーツが露わになる。
いくら酒に侵されているとはいえ、さすがに羞恥心が勝り慌てて抵抗しようとしたが、背中に回ったローの腕は、決してモモを離さなかった。
「おとなしくしてろと言ったのを忘れたのか?」
「あ…ん…ッ」
じたばたと暴れるモモを窘めるように、耳に歯が立てられる。
その間にローの手は太腿に触れ、ゆっくりと指を滑らせた。
するすると這い上ってきた指が、脚の付け根にこつんと当たって止まる。
そのまま離れていくのかと思いきや、ローはもったいぶるように下腹と脚を撫で、その感触を楽しんだ。
「……ッ」
敏感な部分を悪戯のように撫でられ、モモは得も言われぬ震えを走らせた。
もどかしくて堪らない。
もっと触って欲しい。
こんなはしたないことを考えるなんて、やっぱり自分はどうかしている。