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ハコの中の猫 【黒執事R18】

第2章 第2話


 自宅マンションの前まで車を寄せてもらった。帰りもセバスチャンさんが、これまた助手席のドアを恭しく開けてくれた。何だか慣れなくて落ち着かないが、どう言って断れば良いかすらも分からない私はなされるがままだ。せめてあとで、お礼の連絡を入れよう。そうしないと申し訳ない。

 セバスチャンさんの車が見えなくなるまで頭を下げた私だったが、部屋に入ってしばらく経ち、携帯電話を取りだしたところで気がつく。


「……メアドも訊いて無いし。私、バカじゃん……。」
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