第2章 出陣の日
「…っしゃ!!」
師子王の声が響く。
最後の1体を倒した瞬間だった。
「終わりましたね…。」
「疲れた…。」
国広くんと安定が発した言葉には疲労が見える。
いつもの出陣の倍近く討伐したのではないだろうか。
次郎ちゃん、石切丸は軽傷で済んでいるが後4人はいずれも中傷だ。
安定に関しては、中傷であるが限りなく重症に近い。
「…あっ?!」
想いに更ける時間はそう長くなく、徐々に戦場の景色が本丸へと変わった。
……?
そのまま帰れる。
そう思っていた私は違和感に気付く。
「あれ…?」
だんだんと意識が遠のいていくのだ。
地面が近いー……
「…主?!」
「主様?!」
帰りを待っていた刀剣達や一緒に帰ってきた刀剣達がこちらに走ってくるのを呆然と見ながら意識が無くなった。