第2章 出陣の日
それから、手合せから帰ってきた男士達を問い詰めて叱った後、全員を集めた。
「よし、これで全員かな…」
改めてみると、やっぱり人数が増えたなと思う。
「実はね、皆を集めたのはこれなんだけど……」
そういって、皆の中心に今朝部屋に姿を現した紙を置く。
「……出陣願い…ですか。」
国広くんが代表して声に出してはみたが、誰も知らない様子。
「そう。なんか、私と同期で入った人達と同じ場で同時刻に出陣して欲しいみたい。」
だいぶ端折ってしまったが、言っていることは間違いではない。
「だから、出陣するメンバーを決めようと思ってね?詳しいことは決めてから話すから。」
そこまで言うと、皆の目がさっきよりも真剣なものに変わる。
「とりあえず、今回の隊長は次郎ちゃんに任せようと思ってるの。」
「え?アタシかい?」
「うん。今回の戦場は道が開けているところが多いみたいだから、打力が強くて一打で幅広く叩ける次郎ちゃんに先陣を切って貰いたいの。」
あまり隊長として指名したことがないせいか、少し驚いてはいたけど帰ったら祝い酒が飲めると上機嫌で承諾してくれた。