第4章 夏晴
「冴杜、冗談も程度ってものが…」
「俺は…冗談を言ったつもりはねぇよ。」
「…え?」
「俺は…美寿子の事好きだし、さっき美寿子のお母さんに言った通り、美寿子の過去だって、全部受け止める。。」
信じられなかった。
いつの間にか、私の目尻には涙が溜まっていた。
「だから…俺の、彼女になってくれますか?」
「…うれしい…私も好きです!!」
衝動的に冴杜に抱きついてしまった。
冴杜の心音と私の心音がシンクロして何だかとても暖かい。
「良かった…まだ俺、美寿子の事、あんまり理解できてないから…でも、さっき言ったように、何だって受け止める。」
「うん…」
その後はお互い何も言わなかった。
ただただ心臓の音が響き続けていた。