第5章 麦わら帽子とヒマワリとカメラ
男はカメラをいじりながら答えていく。
「この間審神者仲間が写真を見せびらかしてくるもんだから、羨ましくてなあ。俺もお前たちを自慢したいし、何より形にしたいなって思って。奮発しちまった。」
照れたように笑った男に、和泉守兼定と小夜左文字は嬉しく思う。
この男は刀のことを本当に大事にしてくれる。
そのことを度々こうして実感できるのだ、嬉しく思わないわけがない。
「お前たちにも使い方教えるから、いっぱい撮ってくれよ」
「僕たちも使っていいの?」
「もちろんだ」
控えめに聞く小夜左文字の頭を撫でてやると、小夜左文字はそれを甘受する。
かわいい。大天使小夜エルだ。
男は心の中で呟いた。
「よし、じゃあ今日はこのまま三人で写真でも撮りに回るか」
そう言うや否や、男は小夜左文字を立たせて自分も立ったあと、右手は小夜左文字の手を引き、左手でカメラを持った。
和泉守兼定が飲んだ麦茶を片付けてくれるのに礼を言ってから、終わるのを確認すると大広間を出た。