第5章 麦わら帽子とヒマワリとカメラ
「その、ヒマワリを植えようと思って…」
男が口にしたヒマワリという単語に、いくらかの刀剣男士が首を傾げた。
それを見兼ねて、男は説明するべく口を開く。
「ヒマワリって言うのは黄色くておっきな花だ。夏になると咲く花でな。一度だけ彼女とヒマワリ畑に行ったことがあるんだが、そらがまたすっげー綺麗なわけ。この間それ思い出して、せっかくだし植えたいなって」
説明し終えると、隣に座っている加州清光が渋い顔をして呟いた。
「彼女と」
「元カノだよ。振られたけどな。てか何でそこにいくんだ。」
流石主大好きを代表する加州清光。着眼点が違う。
今言った通り、朝男が植えようとしていたのはヒマワリの種である。
持っていた小袋にかなりの数が入っていた。
「満開になったころに、お前たちが見たらびっくりするだろうなあ、と思ってバレないように早起きしたんだが」
男はそう言って微笑む。
「もし良かったら、耕すのを手伝ってくれるか?」
男の申し出に、もちろんと刀たちは頷いた。