第5章 麦わら帽子とヒマワリとカメラ
「主が畑を耕している姿なら、確かに俺も見たな」
綺麗な佇まいで座っている三日月宗近が、箸を置いてそう言い放つ。
火に油である。
「ほらー!みかづきもそういってます!あるじさまはくじょうしてください!」
「み、みつただ〜」
「僕は短刀たちの味方かな」
「かせん〜ほりかわ〜!」
「主、行儀が悪い。口に物を入れたまま喋らない。」
「主さん、ごめんね」
男は助けを求めるも、ことごとく断られる。
別にもう言ってもいいかな、と思うのだが、ここまで引っ張ると次は言いづらくなってきたというのが本音だ。
「主君、僕たちでは役に立ちませんか?」
「主さま、僕だって言ってくれれば、あの、何でもしますから…」
う、と男は言葉に詰まった。
どうやら畑仕事をやらせた、もしくは自分たちが頼りないから男が一人で耕したと思ったらしい平野藤四郎と五虎退にうるうると訴えられる。
男の良心がキリキリと痛んだ。
男は咄嗟に否定する。
「いや、違うんだ!むしろ役立たずなのは俺の方で!ただみんなをびっくりさせようと…!」