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とうらぶっ☆

第5章 麦わら帽子とヒマワリとカメラ



「そういえばさぁ、俺今日朝起きて井戸に顔洗いに行ったら、畑に主様いたんですよねー」

ぶふ
男は思わず噎せた。
発言源は鯰尾藤四郎だ。
刀剣たちは一斉に鯰尾藤四郎を見た後、男の方を向いた。

「え、主?!うそでしょ?!」

何をそんなに吃驚することがあるのか。
はっと我に振り返った加州清光が、男を揺さぶりながら聞く。
よほど男が早く起きたということに衝撃を受けたらしい。
いやまて、味噌汁がこぼれる。
男はとりあえず味噌汁を机に置き、気まずそうに目を逸らした。
別に悪いことなんて何一つしていないのだが、男はこっそり作業を終えて刀剣たちを驚かしたいと思っているのだ。
今バレてしまっては、早起きしてまで畑を耕している意味がない。

こほん、咳払いをする。

「いや、まあ、ちょっと畑の様子をだな…」
「たーいしょ、嘘はいけないぜ」
「う、嘘じゃない…」
「あるじさまいけないんだー!」
「今剣、こら、指さすな…」
「だってずお兄が起きるのってすっごい早いよ?五時とかだよ?そんな時間に畑の様子を見るためにわざわざ起きたの?主が?」
「それは、そうなんだけど…」

薬研藤四郎、今剣、乱藤四郎と一気に質問攻めしてくる短刀たちに、男は一期一振に助けを求めて見つめるが、彼もまた低血圧なのである。無駄だった。

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