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とうらぶっ☆

第4章 夏の風景



とほほと心の内で涙を流しながら、男は未だ鶴丸国永の僅かな違和感に気づけずにいる。

いつまでもそこに立っているだけにもいかず、男は緊張で上擦る声で聞いた。

「あのさ、俺昨日の夜のこと何も覚えてねぇんだけど…」

そこで男は言葉に詰まる。
なんと言えばいいのか分からなくなったのだ。
どう続けようか悩んでいると、唖然という言葉がしっくりくるような声音で言葉が降ってくる。

「おぼえてないのか…?」

男は下を向いていた顔を上げた。
目に映ったのは、驚きを含んだ鶴丸国永の顔だ。
その物言いに、男は何かあったのだと確信する。

「ごめん…、覚えてない」

男がそう言い放てば、鶴丸国永は苦虫を噛み潰したような顔をした。

そんな鶴丸国永の顔を初めて見た男は、ひどく焦燥に駆られる。
何を言ったのだろうか。何をしたのだろうか。
俺は彼に嫌われるようことを、もしかしたらしてしまったのだろうか。

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