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とうらぶっ☆

第4章 夏の風景



かき氷を手に、男は縁側へと向かった。
せっかくなので夏を堪能しようという魂胆だ。

中庭を見渡せる所までくると、そこに鶴丸国永と三日月宗近がふたり並んでいる姿を見つける。
その横に置いてある空になった器を見て、ここで食べていたのかと男は通り過ぎようとした。
通り過ぎようとしたのだが、そこで三日月宗近が男に声をかけた。

「主や」
「三日月」

三日月宗近が男の方を振り向けば、横にいた鶴丸国永も男の方を向いた。

「何だきみ、まだ食べてなかったのか?」

驚いた、とでも言うように鶴丸国永が言うのに、男はむっとして返す。

「さっき掃除が終わったばっかりなんだ。畳についた泥をとるのは大変なんだからな。」
「わるい主、許してくれ」

暗に鶴丸国永のせいだと男が言えば、鶴丸国永は小さく笑いながら許しを乞うた。
悪びれる様子のない鶴丸国永に、男はため息を吐く。

「いいけど、廊下掃除しろよ。」
「手厳しいなあ、主は。」
「今回は鶴が悪い。あまり主を困らせてやるな。」
「三日月、君だって今日主に我儘を言っていたじゃないか。」
「はっはっはっ、いやあ、主よ。かき氷とやらはうまかったぞ。また食べたい。」

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