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とうらぶっ☆

第12章 終幕



「いてっ」

鶴丸国永が後頭部を抑える。
酸欠でまだ頭がうまく働かない男は、何が起こったのか分からず、ゆっくりと視線を下から上へとたどらす。

袴、白、紫、リボン、そして何故か手にはスリッパ。

男は一気に目が冴えた。
そう、そこにいたのは何とも禍々しいオーラを放った歌仙兼定であった。

あ、これ終わったわ。

こちらをぎろりと睨む歌仙兼定は、背後に般若を背負っている。
男は歌仙兼定を見るなり悟りを開いた。

「何してるのかな?」

そう尋ねる声は、普段の声音から想像もつかないほど恐ろしい。
ゴゴゴゴ、と効果音が目に見える。
男はどうにかして少しでも怒りが自分に向かないようにと、先手必勝、鶴丸国永に罪を擦りつけることにした。

「つ、鶴丸が!急にキスしてきて…!」

嘘は言ってない。
確かに先に手を出したのは鶴丸国永だ。
しかしそれで鶴丸国永が大人しく怒られるわけがない。
鶴丸国永は未だ男を押し倒したままの体制で、反論とばかりに口を開く。

「君だって俺に口吸われて感じ入ってたくせに!反抗しなかった君が悪いんだろ?!」
「かっ、感じてねーよ!」
「とりあえず座ってくれないかな?!」

いい加減にしろ、と歌仙兼定がまた鶴丸国永の頭をスリッパで叩く。

容赦ねーなこいつ。

鶴丸国永がしぶしぶ男の上から退き正座をすると、男も起き上がって隣に正座した。

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