第11章 閑話休題:鶴丸国永
「ああ、ほんとうだ」
男の言葉に肯定するも、男はどこか不満気だ。
ちらちらと伺うようにこちらを見る主に、んんんかわいいと悶えながらも表面上は何もないように繕う。
男が言うのを待っていれば、小さくでも、と零した。
「でもっ、」
「ん?」
「でも、いちごは…?」
ずび、と男の鼻をすする音が部屋に響く。
男の言葉に、鶴丸国永は固まった。
いや、え?は?いちご???
思わず目が点になりそうだ。
あまりの急展開についていけない。
怪訝そうな顔をしていたのだろうか、男が慌てたように、ほら、と続ける。
「つ、つるは一期のことが好きなんだろ?なのに、もう、いいのか?」
「んん?!」
男の説明に鶴丸国永は驚く。
どうしてそうなるのだ。
「俺が一期を…?」
「うん」
「好き?」
「うん」
「それはあれか?恋仲になりたいとか、そういう恋情のものか?」
「うん」
「んんん?!」
だからどうしてそうなった。
鶴丸国永には男の言っていることがどうしても理解できず、ううんと唸ることしかできない。