第11章 閑話休題:鶴丸国永
そしてどうやらそんな鶴丸国永を見かねたにっかり青江が、協力しようかと言ってきてくれたのが今朝のこと。
僕に任せてと鶴丸国永はにっかり青江に言われるまま、彼の部屋の押入れに隠れていた。
聞こえてくる会話は、余談もなにもなく男の核心をつくものばかり。
それに耳を傾ければ、聞こえてくるのは襖越しのくぐもった声。
「何でって、そりゃあ、おまえ、」
「俺が鶴丸を好きだからだよ」
不意に聞こえてきた言葉に、鶴丸国永の心臓が脈打つ。
「なんていうか…、その、酔った勢いで言っちゃったんだよ、好きだって…」
ああ、確かに君は、俺に好きだと言ったな。
鶴丸国永は、あの日のことをはっきりと覚えている。
「俺が一回振られた時点で、ちゃんと諦められたらよかったんだと思う。…だけど、そうはいかねぇよなぁ。俺は今だって未練たらしく鶴のこと好きだし、だから余計辛いっつーか」
そうか、きみはまだ俺のことを好きだと言ってくれるか。
辛い思いをさせてるのなら、謝る。
だからどうか、まだ俺のことを好いていてほしい。