第11章 閑話休題:鶴丸国永
「っいかないで…」
けれど、男が言葉を発した次の瞬間。
鶴丸国永は自身の胸にせり上がってくるなにかに、男が熱を出しているということも忘れてその身体を強く掻き抱いた。
男の熱い身体と己の身体とを隙間なくくっつけるように、つよくつよく抱きしめる。
「どこにもいかない。俺はずっと、きみといる。約束しよう。」
主が生きている限り。
主が自分を必要としてくれる限り。
俺はきみの手を離さないと約束しよう。
ずっと、きみのその命がつきるその瞬間まで、そばにいることを約束しよう。
「ほんと…?」
「ああ、本当だ。」
鶴丸国永は男を再び布団に横たわらせて、額に唇を落とす。
はやく良くなりますに。
そう、祈りながら。