第2章 演練
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第二戦目、第三戦目も滞りなく終えた後、男とその刀剣男士たちは与えられた寝床へと腰を下ろしていた。
演練は基本二日かけて行われる。
一日目に三戦し、二日目に残りの二戦をするという仕組みだ。
刀剣男士たちは演練を終えれば自然と傷や疲労が癒されるが、人間である審神者たちは違う。
特に何をするわけでもないが、やはり気を張るし、そうすれば疲れもでてくる。
そんな訳で二日に分けられているわけだが。
寝床は審神者一人につき一つの仮本丸のようなものが与えられる。
仮本丸といっても実際の本丸に比べればかなり小さく、七人で少し広いくらいだ。
さらに仮本丸が置かれている空間は審神者ごとに違っており、そう簡単に行き来することはできない。
これについては、まだ今ほど整備が整っていなかった頃、なんでも刀剣男士を攫うという事件が何件かあったとかなんとか。
真相は定かではないが、何やらよくないことが一度ではなく複数回あったらしい。