第7章 燃えて灰になる
飛び交う指示に、それに聞き逃すことなく従う二口。
小夜左文字を連れて手入れ部屋に行った鶴丸国永を見送ってから、馬を近くに繋げておく。
戦場を駆けた後の馬は暫くは興奮状態が続く。
いつもなら馬当番のものに軽く乗ってきてもらうのだが、この状況では難しいだろう。
労りを込めて数回撫でてやっているうちに、山姥切国広が大倶利伽羅、石切丸を連れて戻ってきた。
「状況は」
大倶利伽羅が問う。
「重傷があと二人と中傷が二人だ。手入れ部屋まで運ぶのを頼みたい。それから余裕があれば馬を走らせてきてくれ。」
男が簡単に説明すれば、三口は頷く。
男はそれを確認してから、小夜左文字を手入れするために手入れ部屋へと向かった。