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とうらぶっ☆

第6章 薬研藤四郎という刀



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ゆさゆさ、男は身体を揺すられるのを感じて、目を開けた。
目を開ければ、そこに映っているのは三日月宗近の顔であった。
その美しい顔は、眉が下げられ瞳が揺れている。
心配そうに男の顔を覗き込む三日月宗近に、まだいまいち状況が掴めていないらしい男は数度瞬きをした。

「ゆめ…」

どこがぼんやりとした男の瞳は、まだ夢に囚われたままらしい。
三日月宗近は自分を映さない男の瞳に不安を煽られ、その頬をぺちぺちと軽く叩いて覚醒を促してやる。

「あるじ、あるじや」

そこから男を呼びかけてやれば、男はようやっとその瞳に三日月宗近を映した。

「みかづき…?」

寝起き特有の掠れた声で呼ばれ、三日月宗近は安堵のため息を吐く。

「三日月だ。大丈夫か?ひどく魘されておったぞ。」

そう問う三日月宗近の声には心配が多分に含まれており、男は緩く頷いた。
男が上体を起こすのを手伝うために背中に手を入れれば、寝間着にしている着流しがぐっしょり濡れており、三日月宗近は眉をひそめる。

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