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春冬狐~しゅんとうこ~

第4章 君だけでいいよ・・・。


「・・・ねぇ、おじいさん。」

 『ん?』

「さっき、私の未来か、生斗の夢って言ったじゃない?
 あれはどういうことなの?」

 『うむ。もし生斗が春をお主に渡したとする。
  そうすれば、生斗は死にはしないが、力はなくなる。
  それこそ夏や茂のようにな。
  じゃが、ここからは生涯でることはできぬ。
  対して、お主が生斗に夏・秋・冬の力を渡したとしよう。
  そうすれば生斗には四季が芽生え、完全な“人”になれる。
  人になれば生斗はここから出て、四季を一生見続けることができ
  る。』

「・・・私は?私はどうなるの?」

 『お主は・・・、お主の命はこの3つの実の力で繋いでおる。
  じゃから、この力を失えば、間違いなくお主は消滅する。』

「「っ?!」」

 「消滅・・・?死ぬ、とかじゃなくて?」

 『本来は存在しなかったはずの命じゃ。
  力を失えば、その存在自体がなかったことになる。』

「・・・じゃあ、私が消えちゃったらさ、お父さんとか、学校の友達とか
 はどうなるの?」

 『そうじゃな、さっきも言った通り、お主は本来は存在しなかったは
  ずの命じゃ。
  お主と関わりのあったものはお主の消滅と同時にお主の記憶を失
  い、何もなかったかのように今まで通り暮らすことになる。』

 「そんな・・・、あんまりだ・・・。
  じゃあ僕が!僕が沙菜に力を渡す!
  そうすれば沙菜は生きられるんでしょ?!」
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