第4章 アイテム【緑間 真太郎】
そして、着替え終わった緑間は柚の隣に座る。柚と緑間はお互いに隣同士の席だった。体操着に着替えた緑間を心配そうに見る柚。
「…問題ないのだよ。最悪な運だと思えばいいのだよ。」
緑間は、柚にそんな事を言っていたがまだ髪の毛が乾いきってなかったので、柚は自分の鞄から少し大きめのタオルを取り、緑間の頭に優しくのせる。
「ん?これは、お前のではないのか?」
緑間は、不思議そうな顔をしながら頭にのっていたタオルを取る。柚は、頷くがそれでも緑間に押し付ける。
「俺が使ったら、お前の分がないだろ?」
緑間からの質問に柚は、首を左右に振り鞄からもう1つのタオルを取る。どうやらもう一枚持っているようだ。
「そうか、それはすまないのだよ。借りるのだよ。」
緑間は、納得したのか柚から渡されたタオルで丁寧に、濡れた髪の毛を拭き取っていく。その姿を見た柚はホッとしたのか、静かに胸を撫で下ろす。
そして、柚は持っていたもう一枚のタオルを鞄の中に入れる。