第4章 アイテム【緑間 真太郎】
その時、緑間は柚の鞄を見ると目を見開き柚に言った。
「そのクマのキーホルダー…俺に貸して貰えないか?本日のラッキーアイテムなのだよ。」
一瞬だけ柚はクスと笑ったが、鞄に付けてあったクマのキーホルダーを取り、緑間に渡す。
「色々とすまないのだよ。明日、必ず返すのだよ。」
緑間は、嬉しそうにラッキーアイテムであるクマのキーホルダーを柚から受け取り、更にタオルで濡れた髪の毛を全て拭き取る。そのタイミングで、タオルを預かると言い出す柚。
「それは、流石にマズいのだよ。洗ってから返すのだよ。それぐらいは、お礼をさせて欲しいのだよ。」
真剣な瞳で緑間に言われてしまった柚は、コクコクと仕方なく頷くのであった。
という事が、昨日の出来事だった。クマのキーホルダーを再び鞄に付ける柚。緑間は、自分の席に座ってから借りたタオルも柚に返す。
「本当に、助かったのだよ。タオルもちゃんと、乾いているのだよ。」
タオルを受け取った柚は、微笑みそして鞄にしまうのだった。