第13章 犬猿の仲(?)
今、目の前で起こっている事を説明するならば…
犬猿の仲、水と油、蛇とマングース。
どれも仲の悪い事を表す。
この二人は正にそれかもしれない。
ーーー
事の発端は、ヒルメスの一言だった。
「へぼ画家」
それに怒りを露にしたのは、ナルサス。
と、思いきや…意外にもだった。
『…ヒルメス様?貴方は、今まで教育を受けて来られたのですか?』
その場には、アルスラーン、エラム、ダリューン、キシュワードが居合わせた。
そう笑顔で問うただった。まぁ、笑顔といっても目は決して笑っていないのだが…
「間違ってはいないだろう?」
それがいけなかった。その瞬間、が剣を抜いたのである。
「殿!落ち着かれよ!」
「キシュワード殿。前に出ては、危険です」
に対して、ナルサスとダリューン、エラムはかなり落ち着いていた。
「ダ、ダリューン!あれでは、ヒルメス殿が危ないのでは…」
心配そうにアルスラーンは、ダリューンに聞いた。
「仕方ありますまい。あの殿を止められるのは、恐らくナルサスくらいでしょうな」
「では、ナルサス殿!」
「いや、それは無理な相談ですな。キシュワード殿」
「何故!?」と、叫んでいるキシュワードだったが、その間にもはヒルメスと睨み合いをして一触即発の事態になっていた。
「何故、そんなに怒る。お主は、アレが絵に見えるのか?」
ブチッ
キレた。何かキレる音がした。
とうとう、ヒルメスと剣を交えた。
『先ほどからの失礼の数々!ナルサス様に謝りなさい!』
「断る。俺は、嘘は言っておらん」
それが、さらにの怒りに火をつけた。
『ナルサス様への暴言!私への侮辱である』
そんな二人の勝負をアルスラーン、キシュワードはヒヤヒヤしながら見ている。