第7章 まさか
「『……』」
現在、とエラムはナルサスに冷たい視線を送っている。
「…おい、違うぞ。二人が考えてるような事は決してない」
「…私の主はナルサス様ですが、その言葉を信じられません」
『ダメよ、エラム。ナルサス様は信じなくても、女の子は信じてあげないと』
そう、ナルサスの隣には彼より年下であろう女の子がいる。
『…貴女、ゾット族の子?』
「そうだけど、あんたは?」
ツンとした態度で、に返事をした。それを見たエラムは、すかさず言い返そうとしたが、がそれを制した。
『私は、。ナルサス様の妻よ。貴女のお名前は?』
「…アルフリード」
『アルフリード。綺麗な名前ね。それで、どうしてナルサス様と?』
そう問いかけると、思いもよらない返事が返ってきてエラムは唖然とすることになる。
「ナルサスの妻にしてもらいにきたの」
「ち、違うぞ!」
それまで口を閉じていたナルサスだったが、この返事に焦らずにはいられなかった。
「ナルサス様、様ともあろう奥方様がおられながら…」
「あら、私はナルサスの二番目の妻でも構わないよ」
「だ・か・ら!!私にはだけがいれば…………?」
そこで、ライアから不穏な気配を感じた。
『アルフリード…』
「なんだい」
一触即発ともとれる雰囲気に、エラムとナルサスは焦る。
『可愛いわ!』
と、叫んでアルフリードに抱きついた。
あまりの急展開に、以外はついていけない様子だ。
『可愛い可愛い可愛い!!ナルサス様の妻ではなく、私のところに嫁いでらっしゃい!』
「は、はぁ!?あんた、女だろ!?」
『あら、いけない?』
いや、ダメだろ(でしょう)
他の三人は、同時に心の中で呟いた。