第5章 娘のように
「殿は、女子にしては珍しい考えの持ち主じゃのぉ」
「そうなのです。まぁ、このナルサスと一緒になるのですから、これくらいの考えや度胸が無ければ」
「"この"とは、どういう意味だ?ダリューン?」
それを見ているとエラム、ヴァフリーズは、顔を見合わせて笑い合っていた。
食事も終わり、最後にお茶や酒を飲みながらヴァフリーズはこんな事をポツリと呟いた。
「殿のような娘が欲しかったのぉ」
その言葉に、皆ヴァフリーズを見た。
『ヴァフリーズ様には、ダリューン様という強い甥子様がいらっしゃるではあるませんか』
「そうです。こう見えても、は皆には見せぬだけで頑固者ですぞ。先ほどの食事の席での事を見ればわかるかと思います。ヴァフリーズ殿」
『…返す言葉もございません』
と、肩を少し落とした。
「ほっほっほっ、ナルサス殿は殿に手を焼いておいでか?」
「否定は出来ませんな」
は、『うっ…』顔を真っ赤にして恥ずかしそうに下を向いてしまった。
「しかし、ナルサスには調度良いと思うぞ」
「私もそう思います。普段のお二人は、本当に仲睦まじいです。ですが、少々度が過ぎる時もございます」
「エラムの言う通りだな。はっはっはっ!」
(ダリューンよ)(いかがなされましたか?)(わしも早く嫁と孫が見たいのぉ)
アトガキ
あぁ、ヴァフリーズの優しそうな笑顔。アルスラーンとは別な意味で癒されるわぁ(笑)